弁護士インタビュー

専門登録制度を利用し興味分野の知見を深める

須賀田 桂

アソシエイト/70期
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Q1

長島・大野・常松法律事務所に入所を決めた理由や決め手を教えてください。

ロースクール在学中に、エクスターンシップとして国内上場企業の法務部で2週間研修を行った際に、大手事務所を中心とする企業法務弁護士のビジネス社会での活躍を目の当たりにし、翌年、当事務所のサマー・インターンに参加しました。サマー・インターンでは、最前線の企業法務実務の一端を見て刺激を受けたのはもちろんですが、弁護士やスタッフの方々がインターン生に対して誠実に向き合ってくれたことがとても印象的で、直感的にこの事務所で働きたいと思いました。1週間という限られた時間でしたが、特にメンターであるパートナー弁護士とアソシエイト弁護士が、模擬内部会議や会食を通じて各学生の個性や長所をしっかりと理解した上で、それぞれの質問や悩みに真摯に向き合ってくれていると感じました。

また、サマー・インターンを通じて多くの女性弁護士とお話しする機会がありましたが、どの弁護士も魅力的で、このような先輩方のもとで一緒に働きたいと強く思ったことも入所を決めた理由の一つでした。

Q2

現在の業務の中心はどのような案件でしょうか。

現在は、キャピタルマーケット分野の案件を中心に、上場会社の公開買付け等のM&Aの業務にも携わっています。

入所当時は、特定の業務分野に強い興味を持っていたわけではなかったため、育成グループ配属面談やグループ配属後も、同室パートナーや育成グループのパートナーには、可能な限り色々な案件にチャレンジしてみたいという希望を伝えていました。当事務所の育成グループ制度では、1グループに取扱分野が異なる十数名程度のパートナー弁護士が所属し、所属グループ内で多様な案件の経験が積めるような体制となっていますので、幅広い分野に携わりたいという意向も尊重してもらえ、同室パートナー弁護士に限らず、グループ内のパートナー弁護士と幅広く仕事を行っています。具体的には、1・2年目は、国内企業のIPO、国内事業会社の株式やJ-REITによる投資証券のグローバル・オファリング等のキャピタルマーケット分野と、グローバル企業の不正調査やコンプライアンス体制整備等の危機管理分野の案件を中心としつつ、上場会社の公開買付け、プライベートエクイティファンドによるベンチャー投資、上場会社の株主総会対応等のコーポレート分野の案件についても複数担当することができました。

こうした経験を踏まえ、3年目以降は、よりキャピタルマーケット分野の経験を積みたいと考えるに至り、IPO、グローバル・オファリング、第三者割当増資といったエクイティファイナンス案件に、より多く関与するようにしました。また、上場株式取引に関する知見を深めるため、当事務所の育成プログラムである専門登録制度を利用し、育成グループの枠を超えて、より多くの上場会社の公開買付け案件に携わることができるようになりました。

Q3

専門登録制度とはどのような制度でしょうか。専門登録をしていなくても、他グループの弁護士と働く機会はあるでしょうか。

専門登録制度は、当事務所の育成プログラムの一つであり、アソシエイトが選択した特定分野に属する案件について、所属する育成グループ外のパートナー弁護士からもアサインメントを受けることが可能となる制度で、入所後2年目から利用することができます。所定の分野から選択して登録するのではなく、登録を希望するアソシエイトに裁量があるため、私自身は、パートナーや先輩アソシエイトに相談しながら、3年目の初めに公開買付け案件の専門登録を行いました。案件はタイミングの巡り合わせも大きいので、専門登録したからといってすぐにその分野に携われるとは限りませんが、自分の興味分野を所内で広く伝えるきっかけにもなりますし、自分の中でも新たな目標ができ、身が引き締まりました。所属グループ内においても、専門登録をきっかけに、公開買付け分野に関連する案件に声をかけてもらう機会が増えています。

もちろん、専門登録制度によらなくても、日常的に他グループの弁護士と協働する機会はあります。私の場合は常に、担当する案件のうち少なくとも1・2件程度は、他グループの弁護士と一緒に担当している案件だと思います。他グループの弁護士やスタッフと仕事をすると新たな気付きも多く刺激を受けるとともに、全弁護士・スタッフが最高の質のリーガルサービスを提供するという一つの目的に向かって働いているということを再認識することができます。案件終了後に案件打ち上げを開催することもありますが、案件での苦労話やお互いのグループの話でとても盛り上がります。案件終了後もお互いの取扱分野について気軽に情報共有や相談をしたりと、日々グループを超えた交流があります。

Q4

入所前後での事務所の印象の変化はありましたか。

インターンで感じたとおり、入所後もやはり誠実な事務所だと実感し、事務所の印象は変わっていません。

案件業務においては、最高の質のリーガルサービスを提供すべく、職位や年次に関わりなくフラットな議論が行われています。議論の過程で若手から出る質問にも、その都度パートナーや先輩アソシエイトが丁寧に回答してくれますし、若手の疑問をきっかけに新たな論点の検討が始まることもあります。また、大規模な調査案件等では特にスタッフのノウハウやアイデアが非常に重要であり、弁護士、パラリーガル、秘書、IT等のチーム全体で効率的な案件運営を目指して日々議論しています。

案件業務以外にも、定例のアソシエイト面談や週例会といった近況報告や意見発信の場が設けられています。また、グループ懇親会や案件打ち上げ等では、パートナーや先輩アソシエイトが業務上の失敗談や留学・出向の経験談を聞かせてくれたり、共通の同室パートナーを持つアソシエイトで同室会を企画し、若手弁護士の仕事やプライベートの悩みを皆で一緒に考えたりしています。本当にどの弁護士も親身に話を聞いてくれるので、皆さんの想像以上にアットホームな雰囲気だと思います。先ほどお話しした専門登録制度についても、グループ内外の先輩弁護士が、登録分野を一緒に考えたり他グループの弁護士を紹介してくれたりと、とても親身に相談にのってくれましたので、とても感謝しています。

また、先輩・同期弁護士とともにバレーボールサークルを立ち上げ、活動をしています。パートナーを含む弁護士に加え秘書も多く参加していますので、バレーボールとその後の飲み会を通じて、新たな出会いがたくさんありました。若手アソシエイトが増加していることもあり、バレーボール以外にも色々な活動が開催されています。

Q5

入所後のワークライフバランスについてはどう考えていますか。

当事務所では、年次を問わず個々の価値観やライフスタイルを尊重した働き方を実現できるよう、リモートワークシステム等の充実した執務環境・体制が整備されています。仕事以外の時間がとれないといったことはなく、事務所生活に関してストレスを感じることもありません。平日は先輩・同期の弁護士や秘書と食事に外出することもありますし、毎年GWや夏休みには家族や学生時代の友人と長期旅行に行っています。

女性としてのキャリアプランについても、当事務所には多くの先輩女性弁護士が所属しており、身近に多様なロールモデルを見つけることができますので、これから出産や育児等を考えるにあたっても、大きな不安はありません。同じ環境で同世代の悩みを共有できる同期の女性弁護士が多く所属していることも、非常に心強く、留学のタイミングや準備等についてもよく相談しています。

また、事務所としてもよりよい体制を目指して産休制度等のサポート体制の見直しを行ったり、最近では男性弁護士が育児休暇を取得するなど、事務所全体として、多様な働き方への理解が一層深まっているように感じています。

Q6

これから企業法務の弁護士を目指す方にメッセージをお願いします。

企業活動を取り巻く社会・環境の変化に伴い、企業法務の業務内容も日々変化し、複雑化・高度化していると思います。当事務所は、そのように変化する最前線の実務に触れながら多様な経験を積み重ね、自己の可能性を広げられる環境であると実感しています。

企業法務弁護士としてキャリアをスタートさせる方には、自己の可能性を広げられるような選択をしていただきたいと思います。

プロフィール

須賀田 桂

70期 アソシエイト

2017年12月入所。1990年生まれ、茨城県出身。国内外での株式・社債等の発行、IPO、J-REIT、公開買付け、M&A・コーポレート分野を中心に企業法務全般にわたる案件に携わる。

プロフィール詳細

学歴/職歴

  • 2014

    慶應義塾大学法学部卒業

  • 2016

    慶應義塾大学法科大学院修了

  • 2017

    長島・大野・常松法律事務所入所