育成グループ座談会

目指すは大規模事務所であることの強みときめ細やかな教育体制の両立

header-line

対談者

  • 黒田 裕

    パートナー/54期
    主な業務分野は、M&A/企業再編、コーポレートガバナンス、事業再生・倒産、海外進出支援。所属育成グループはG4・G7(兼任)。
  • 田中 雄土

    アソシエイト/69期
    主な業務分野は、事業再生・倒産、製品安全・コンプライアンス。所属育成グループはG4。
  • 萩原 智治

    アソシエイト/70期
    主な業務分野は、薬事・ヘルスケア、個人情報保護、不動産取引。所属育成グループはG5、個人情報保護分野で専門登録。
  • 大塚 理央

    アソシエイト/72期
    主な業務分野は、国際仲裁、海外進出支援、インフラ、一般企業法務。所属育成グループはG4。
  • 室 憲之介

    アソシエイト/73期
    主な業務分野は、再生可能エネルギー、国際仲裁、ファイナンス、一般企業法務。所属育成グループはG4。
  • 渡邉 啓久

    パートナー/63期
    主な業務分野は、不動産取引、ストラクチャード/プロジェクトファイナンス、インフラ、資源・エネルギー。所属育成グループはG4。
渡邉

今日は、私と同じ育成グループ(G4)に所属している弁護士を中心に集まってもらいましたので、NO&Tの育成グループ制度(※)の実際というテーマで、お話ししていきましょう。

入所から1年間の仮配属となる育成グループは、どのように決まるのでしょうか。

渡邉

学生の皆さんは、NO&Tに入所した後、自分の希望通りの育成グループに仮配属されるのか、きっと気になっているんじゃないかと思います。NO&Tに入所した皆さんは、仮配属先が決定される前に自分の希望を出せるのですが、実際のところ、どうでしたか。

大塚

私は、特定の育成グループを希望していたわけではありませんが、結果的に、興味がある分野と伝えていた国際紛争やインフラの分野を取り扱っているグループに仮配属になりました。ただ、各育成グループには大まかな分野の色はあるものの、ある分野だけを取り扱っているということはありませんので、どのグループでも、幅広く希望の分野の仕事ができると思います。実際、私のグループでは、ファイナンスや不動産取引、倒産、インフラ、国際紛争を主に取り扱っていますが、M&Aやコーポレート、訴訟等の仕事もあり、幅広い分野に携わる機会があると日々感じています。

渡邉

育成グループ=プラクティスグループと誤解されることがありますが、育成グループ制度はあくまで若手教育の一環としての制度ですので、一つの育成グループに多種多様な業務を担っている弁護士がいるというのは、当然といえば当然なんですよね。室さんはどうでしたか。

私は、「外国語を使う仕事をやってみたい」という希望を出しました。現に、外国語を使う案件が過半を占めているので、希望は叶っています。私のように、1年目の仮配属希望は通ることが多いのですが、例年、修習直後に希望を聞かれるので、学生の頃はM&Aや危機管理だと言っていたものの、修習地で裁判に触れることが多い影響で「訴訟をやりたい!」という希望に変わっている弁護士もいますね。なので、訴訟を扱うパートナーが多いグループに希望者が殺到してしまうような年だと、人数のバランスの関係でどうしても全員の希望を叶えられないということもあるようです。ただ、1年目で希望するグループに仮配属されなかった場合も、2年目になる際に改めて希望をすれば希望通りのグループに本配属されますし、訴訟に限らず、どのグループでも大抵の分野を扱っているので、わざわざグループを異動しなくても希望の分野の仕事に携われるように思います。

黒田

「事業再生をやりたい!」といって強い希望をもって、事業再生を多く取り扱うG4に仮配属されるようなケースもありますよね。また、大塚さん、室さんがおっしゃったように、各グループにはそもそも様々な案件がありますし、他のグループと協働する案件もたくさんありますので、アソシエイトの希望があれば、グループのパートナーが配慮してそういう希望分野の案件をアサインしているように思います。他のグループと仕事をすることに関連した制度としては、プラクティスグループ制度や専門登録制度もありますが、こちらは後ほど話しましょう。また、アソシエイトの希望がそのときどきで変わることもしばしばあります(笑)。将来、ある分野の専門性を高めていくとしても、若いときには多様な案件を経験し、幅を広げていくことは非常に重要なので、育成グループ制度はそのために適した制度だと思います。

渡邉

私も、育成グループ制度があるからこそ、アソシエイトは多様な案件に関与できるのだと思っています。ちなみに、留学・出向から帰ってくるとアソシエイトはどの育成グループにも所属しない、無所属扱いになります。育成グループ制度は入所~留学前の若手弁護士の教育を主たる目的としたものなので、自分自身で仕事のポートフォリオを組み立てていく力がぐんと上がっているシニアなアソシエイトには、わざわざ育成グループに所属してもらう必要がないという背景があります。

事務所に入所する前に、自分が中心的に取り組みたい分野を決める必要はあるのでしょうか。

渡邉

よく学生の方から、入所前に自分が中心的に取り組みたい希望分野は決めないといけないのですか?と質問されることがあります。萩原さんは、どうでしたか?

萩原

入所前に確固たる希望分野があるわけではありませんでしたね。採用活動の際に会った先輩弁護士の話を聞いて、漠然とファイナンス分野や薬事ヘルスケア分野が面白そうだなと思ってはいましたが、本当にそれが自分に向いているのか、実際にやってみないことには分からないと思っていましたし、この分野でなければ、という強い思いまではなかったです。仮配属に関する希望を出すときも、「分野はともかく、私に向いていそうな育成グループに配属して欲しい!」と伝えたくらいでした。縁があって薬事ヘルスケアを含む幅広い業務分野を担当することになり、そのことに非常に満足していますが、これから先もそれをずっとやり続けるのかは決めていません。いずれにしても、入所前に悩みすぎる必要は全然ないですね。

渡邉

田中さんも同じような感じでしたか?

田中

そうですね、私は、5年目の今でこそ事業再生を自分の業務の中心の一つにしていますが、事務所選びの時期は、事業再生を中心的に扱うなんてほとんど考えていませんでした。司法修習で事業再生事件に関与する機会があり、そこで「事業再生って面白いな」と思ったので、仮配属希望を出す際に「事業再生に興味がある」と伝えたところ、事業再生を多く扱うグループに仮配属されました。また、私は、今では、事業再生とは別に、製品安全に関するコンプライアンスの仕事も多く扱っています。主に海外のメーカーを依頼者として、製品に関するコンプライアンスについて助言するといった仕事ですが、入所前は、この分野の仕事をするとは全く思っていませんでした。入所した後、実際に色々な案件に関わる中で、自分の興味のある分野を見つけていく人が多いように思います。

渡邉

入所して2年目の大塚さんと1年目の室さんは、国際仲裁の分野に力を入れていますが、きっかけは何かあったのですか?

大塚

私は、大学の授業で国際仲裁という分野を知り、海外の弁護士と対話を重ねて共に仕事をしていくことに興味を持ったため、国際仲裁に関わりたいと思うようになりました。また、従前から興味のあったインフラの海外輸出という分野が国際仲裁と親和性があることも、国際仲裁に関わることとなった理由です。現在は国際仲裁の仕事を多く取り扱っている一方、インフラやコーポレート、ファイナンスなどの分野にも興味があり、様々な分野の仕事を経験して多様な視点を持てるよう、意識して仕事に取り組んでいます。

私は、大学の授業などで聞きかじった国際仲裁を一度やってみたいという気持ちがあったので、先輩といくつかの国際仲裁案件に携わりながら、色々と教えてもらっているのですが、“専門”という感覚はないですし、まだ自分が取り組む業務の幅を絞るのは早すぎるかなと思っています。周りの同期をみても、8割以上の人は、入所時から「専門としてこれをやっていこう」とは決めていない気がします。私自身も、事務所に入ってから初めて知った分野も多いので、今は色々なことをやりながら、徐々に自分の適性を見極めていこうと思っています。

渡邉

もちろん、自分にはこれだ!という確固たる意思をもって入所してきてくれる人もいますが、いざ入所して多種多様な業務を見ていると、それが揺らぐことはよくありますし、なにも1つ、2つの分野だけをやっていくんだ、というように幅を絞る必要なんてないと思うんです。私も、特に入所して1、2年目の頃は、思いつく限りのあらゆる法分野の業務に携わっていました。留学前は、不動産取引、ファイナンス、訴訟・仲裁、M&A・ジョイントベンチャー取引が、大体1/4ずつといったイメージです。依頼者からは、ジェネラルコーポレートとしてのご相談の中で、知財や独禁に関する質問を受けたり、危機対応に関わることもありました。また、乗り物が好きだったので、飛行機、電車、船舶、車が関係する仕事は、なんでも手を挙げていましたね。それでも飽き足らず、米国のロースクールへの留学、英国法律事務所への出向中は、資源・インフラ・再エネ分野を中心に勉強し、留学・出向から事務所に復帰した後に、なんとなく今の自分のプラクティスに落ち着いたという感じです。

黒田

案件は巡り合わせのような面もあるし、いざ実際にやってみて、合う・合わない、興味が持てる・持てない、ということもあります。また、我々弁護士は世の中のニーズに応えていかなければなりませんが、世の中の動きはとても早いので、新しい法分野も次から次へと出てきます。これから40年以上続く弁護士人生のはじめに、自分の業務の幅の広狭を決める必要はないと思います。ちなみに、私は、もう20年前になってしまいますが、弁護士登録の当初はIT(今でいうテック系)に関する仕事がしたかったのですが、興味にぴったり合った案件に巡り合わず、また、資産流動化等のファイナンス案件やその他様々な分野の仕事を経験しましたが、結局、自分の性分に合っていたM&Aの案件を中心に取り扱うようになりました。ただ、他の分野の経験も今の業務に役に立っていると感じます。

育成グループの中で、何人くらいのパートナーや先輩・後輩アソシエイトと一緒に仕事をするものなのでしょうか。

渡邉

話は変わりますが、普段、皆さんが育成グループの中で執務をする際、だいたいどれくらいの数の人達と仕事をするものなのでしょうか。

田中

大型の事業再生・倒産事件の場合、M&Aやバンキング、キャピタルマーケット等に強みを持つ別の育成グループの弁護士とチームを組んで担当することもよくあるので、多いときだと数十人とチームを組んで仕事をすることもあります。色々な育成グループから多様な年次の弁護士がチームに入り、席も近く仲の良い人から初めて一緒に仕事をする人まで、先輩や後輩と入り交じりながら仕事をするので、いい刺激を受けています。比較的小規模な事業再生・倒産の案件になってくると、5〜6名で担当することが多いですかね。製品安全・コンプライアンスの分野では、パートナー1~2名、アソシエイト2~3名といった少人数で対応することが多いです。

渡邉

一つの案件を取り上げても、本当に多様なメンバーと協働するものですよね。萩原さんは、どんな印象ですか?

萩原

日常的によく一緒に仕事をしているパートナーは5~6名程度ですが、振り返って数えてみたところ、これまでグループのパートナー15名のうち13名と仕事をしたことがありますね。事務所全体のパートナー、アソシエイト、カウンセル、外国弁護士も入れたらと聞かれると・・・数え切れないです。自分自身のスタイルをどのように確立させていくかを考えるに当たって、色んな人の働き方を見るのはとても参考になります。

黒田

パートナー1名とアソシエイト数名で対応する案件もあれば、育成グループをまたいで、複数のパートナー、アソシエイトでチームアップする案件も少なくないですね。アソシエイトと私が二人で対応している案件もあれば、室さんと私に加えて、4年目の先輩アソシエイトが入り、その先輩が新人の室さんを優しくもビシバシと(笑)鍛えているという案件もあります。先日クロージングを迎えたM&A案件は、他の育成グループのパートナー、アソシエイトが加わって総勢10名超のチームでした。

同期、先輩、後輩の関係やスタッフとの関係や交流はどうでしょうか。育成グループ単位の懇親の機会もあるのでしょうか。

渡邉

仕事以外の場面で、育成グループ内外の弁護士やスタッフとの懇親の機会は、どういった具合なのでしょうか。

田中

育成グループでは定期的に週例会を開催して各弁護士の業務状況を共有しあっています。それ以外にも、懇親会的なイベントとしては、新人弁護士の歓迎会、新人秘書の歓迎会、花見、留学生壮行会、暑気払い、忘年会・・・など目白押しで、育成グループ内の人間関係を深める機会はとても多いように思います。また、1、2年目の頃は新幹線で出張することが多かったのですが、帰りに先輩にご馳走してもらうのが楽しみでしたね(笑)。同じ育成グループの弁護士・スタッフは、席も近いので、雑談をする機会はいくらでもあります。私はいま同期の弁護士3人と同じ部屋で働いているのですが、ちょっとした仕事の相談だけでなく、息抜きに色々と雑談ができるので、良い気分転換になっています。

萩原

割と育成グループ毎のカラーで違いが出たりするのですが、僕のいるG5は、ボジョレーヌーボーの解禁を祝う会や、ハロウィーンの集い、年末の最終勤務日の慰労会など、色々やっています。

渡邉

私はG5ではないのですが、同じフロアということもあり、昔からそういう楽しそうな集いには、何人かと一緒に混ぜてもらっています(笑)。そういった機会に、普段仕事であまり接しない人と仲良くなって、それがきっかけで仕事をするようになる、ということもあるんですよね。

大塚

先輩の部屋が近く、気軽に訪ねられるような配置になっていますので、仕事の合間に他愛もない話をしに行ったり、仕事終わりに食事に連れて行ってもらうことも多いです。また、仕事でわからないことがあるとき、同じ案件の先輩でなくても教えてもらうことが多々あり、すごく助かっています。

育成グループ制度について、入所前や入所直後に、不安に思っていたことはありませんか。

渡邉

皆さんが学生だったころ、あるいは、事務所に入所してすぐの頃、育成グループ制度について何か不安に思っていたことはありますか。

田中

入所前は、グループの中で1つの業務分野の仕事しかできないのではないかといった不安がありました。実際には、私が元々やりたいと思っていた事業再生、入所後に出会った製品安全・コンプライアンスの仕事に加えて、国内・海外の訴訟案件にも、この数年間だけで片手では数えられないくらいの案件に関与しましたし、ファイナンスや小規模のコーポレートの案件もこなしました。また、事務所では、入所2~3年目のアソシエイトを対象に、NO&Tのアジアオフィスで約3ヶ月間執務するプログラムを設けているのですが、私もこのプログラムを使ってシンガポールオフィスで3ヶ月間仕事をしました。東京オフィスに戻ってきた後も、シンガポールオフィスの仕事を継続して担当しているので、アジア関連の案件にも多く関与しています。

私は、入所前はとても不安で、「ファイナンス事業部」のようなところに配属されて、そこの仕事をひたすら処理するものなのかなと想像していました。実際に入所してみると、初日から色々な形で様々な分野の仕事をしています。黒田さんとは、仮配属直後の飲み会の場で話をしたのがきっかけでコーポレートの仕事を一緒にしていますよね。そもそもNO&Tのグループは「育成グループ制度」の略なので、プラクティスグループとは全く異なるのですが、業務分野でかっちり区切られているのかなと何となく思い込んでいました。実際には、私の同室パートナーである渡邉さんは不動産取引、エネルギー・インフラ、バンキングを主にやっていますし、すぐ近くの席には、田中さんや大塚さんのような国際仲裁、消費安全や倒産に強い弁護士がいますし、黒田さんのようなM&Aコーポレートを業務の中心とする弁護士もいます。そうした人たちと雑談をしている中で、自分もこういうことをやってみたいと自然と思うものですよね(笑)。4年程度に1度行われる育成グループの再編の時に、次はどんな人達と席が近くなるのか楽しみにしています。

育成グループ以外の人と仕事する機会は、どのくらいあるのでしょうか。

渡邉

育成グループの垣根を越えて、別の育成グループの弁護士と仕事をする機会は、皆さんどの程度もっていますか。

萩原

別の育成グループの弁護士とは、日常的に仕事をしています。よくあるパターンは、同じグループのパートナーが担当している案件に、別のグループのパートナー、カウンセル、アソシエイトが参加している場合です。私がよく取り扱っている分野で言うと、ヘルスケア関係のM&A案件や紛争案件、大規模な不動産案件の場合は、育成グループをまたいだチーム構成になることが多いです。もう一つのパターンは、専門登録制度を活用したり、プラクティスグループに参加するというものです。私は個人情報保護関係で専門登録をしていますので、他の育成グループのパートナーから、個人情報保護関係の案件に誘ってもらうこともよくあります。

渡邉

実際、萩原さんと私は別の育成グループですが、長らく不動産案件で一緒に仕事をしていますよね。

大塚

国際仲裁の分野でも、紛争の対象となっている特定の分野に強みを持つ弁護士と紛争解決業務自体に強みを持つ弁護士が集まって一つのチームを作ることがあります。インフラ整備に関する紛争であれば、インフラに強い弁護士と紛争解決に強い弁護士が集まって一つのチームを作ることとなります。私はインフラ寄りですが、国際仲裁の案件では、紛争解決分野に強い先輩方と協働することが多く、そのノウハウを日々教えてもらっています。

黒田

依頼者に最高のリーガルサービスを提供するために、案件に応じたベストのチーム構成をまず考えますので、結果として、別グループのパートナーと協働する機会は多いです。例えば、保険会社のM&Aでは、保険業法を専門として取り扱う別グループのパートナーにチームに入ってもらい、私の所属するチームと協働したり、あるいは、労働法が関係する案件で、別グループの労働法のパートナーに入ってもらい、私の所属するグループのアソシエイトが労働法パートナーに指導を受ける、といった形もあります。また、逆に、私が別グループのパートナーの案件に入って、別グループのアソシエイトと協働することもあります。なので、別グループの人と仕事をすることはよくあります。

専門登録へ参加したきっかけを教えてください。

渡邉

事務所では、プラクティスグループ制度や専門登録制度を設けており、アソシエイトの方が積極的に取り組みたいと考えている分野への挑戦を後押ししていますが、萩原さんは個人情報保護分野で専門登録をしていますよね。どういったきっかけがあったのでしょうか。

萩原

私の場合は、もともと育成グループ内の案件でヘルスケア関係のデータの利活用に関するものを担当したことがきっかけです。近年では医療ビッグデータに関する法律が制定されたことをはじめとして、ヘルスケア領域のデータ利活用に関する動きが活発です。勉強を進める中で、ヘルスケア領域に限らずデータの利活用一般に関する興味が湧いてきましたので、その分野に強みを持つ他の育成グループのパートナーと仕事をしたいと考えて、専門登録を行いました。

渡邉

なるほど、萩原さんはデータプロテクション分野の若手弁護士としてバリバリ活躍されているというイメージでしたが、そういうきっかけだったのですね。専門登録とは別に、事務所では、アジア、タックス、知的財産、競争法といった特定の分野を専門に扱うプラクティスグループもあり、それらのプラクティスグループに所属している若手弁護士もたくさんいます。

育成グループ制度の意義はどこにあると感じていますか?

渡邉

最後に、NO&Tが育成グループ制度を採用する意義として、皆さんの視点からどのように感じていますか。

田中

NO&Tには、育成グループ制度の下で、パートナーが育成グループに所属する若手アソシエイトのことをしっかり面倒を見る土壌があると思っています。若手アソシエイト一人ひとりのことを育成グループのパートナーがしっかりと責任をもって見てくれるというのが、育成グループ制度の一番のメリットだと思います。また、4年程度に一度の頻度で育成グループの再編が行われるので、それをきっかけに全く新しい分野にチャレンジすることもできます。私は育成グループの再編をきっかけに、製品安全・コンプライアンスの仕事に取り組むようになりました。

萩原

大規模事務所であることの強みと、きめ細やかな教育体制の両立は必ずしも容易でないと思いますが、育成グループ制度はこれら両方を実現するための最適解の一つだろうと思います。日頃は、お互いのことをよく知ってコミュニケーションをとることができる現実的な規模のまとまりとしての育成グループで過ごしつつも、自分の興味関心に応じて他の育成グループの弁護士とも協働することができます。また、田中さんが言うように、育成グループのメンバーは定期的にシャッフルされますので、育成グループという単位が重みを持ちすぎるわけでもなく、本当によく考えられた制度だなと感じます。

育成グループ制度のおかげで、ビル1/3フロア分位の適度な規模の中で人間関係を築くことができるので、満足しています。NO&Tは在宅作業の自由度がとても高いのですが、在宅中心で作業する中においても、大規模な事務所の中に緩やかな帰属先が作れるというのは安心感があります。リモートワーク中も、自分が担当している案件と関係なく、よく渡邉さんやグループの他の先輩から、「大丈夫か、上手くやれてるか」などと声をかけられ、雑談したりしています(笑)。また、仕事について相談したいタイミングも毎日あるのですが、そんな時に、大規模事務所の中で迷うことなく、「とりあえず同じ育成グループの人に相談してみよう」という、気軽に相談できる人が必ずいることが心強いです。

黒田

NO&Tは弁護士数だけで500人規模の大事務所なので、率直なところ、顔と名前の一致しない人もいると思います。ただ、少なくとも育成グループ内は弁護士も秘書も全員わかりますし、仕事やらイベントなども一緒に行うので、仲間意識も醸成されます。育成グループの規模もちょうどいいですよね。大きすぎると放置されてしまう若手が出てくるかもしれないし、小さすぎると万が一人間関係で行き詰まったときに逃げ場がない・・・(笑)。パートナーが複数いて、様々な案件があるだけでなく、期が近く相談しやすい先輩アソシエイトもいますので、新人弁護士がキャリアをスタートする環境としてはものすごく恵まれているのではないかと思います。

渡邉

育成グループは、入所してから留学前の4〜5年程度の帰属先でしかないですが、弁護士人生を歩み出す一番最初の成長期に、30名程度の弁護士で一つの育成グループという、ちょうどよい規模感の中で互いのことをよく知りながら、余計なストレスを感じることなく仕事に集中できる環境に置かれるというのは、若手の育成にとってベストだと思っています。留学から帰ってくると、育成グループから離れて無所属となるのですが、それでも、自分の執務室は自分が育った育成グループの中に置かれることが多いので、寂しさを感じることもなく、アットホームな雰囲気の中で仕事に復帰できるのも、いいシステムだなと思います。

さて、今日は育成グループ制度について皆さんに語って頂きました。つい、議論が白熱してしまいましたが、きっと育成グループって実際のところどうなの?という疑問に、少し答えることができたのではと思います!皆さん、どうもありがとうございました。